竹の節欄間・菱組欄間から透かし欄間まで|奈良巡りで学ぶ、和風モダン建築の欄間

入江泰吉旧居 座敷の欄間(図版出処:岡田撮影)

この建築では、

  • 竹の節欄間
  • 透かし欄間
  • 筬欄間

などの欄間について、奈良の和風建築を題材に解説していきます。

欄間とは?

欄間らんまとは、部屋と部屋、廊下と廊下を遮る壁の上部に付けられる建具の一種です。

建具と言っても、天井と鴨居との間などに小さく設けられるものがほとんどであり、人間の往来をコントロールするものというものよりも、もっぱら採光、通風、装飾などがその目的となります。
社寺宮殿において縁側の行き止まりに設けられる「脇障子わきしょうじ」や、門塀の上部に取り付けられることもあります。

日本建築において、内外を隔てる窓の装飾がきわめて乏しいのに対し、欄間の発展は著しいものがあります。
その原型は奈良時代や平安時代にも見出すことは可能ですが、一般の窓とはっきり区別されて用いられ始めるのは鎌倉時代ごろ。
そして桃山時代から江戸初期にかけては、複雑な彫刻や彩色を施した絢爛豪華なものへと発達しました。

以下、奈良の近代建築を題材に、代表的な欄間の種類を見ていきましょう。

彫刻欄間・透かし欄間とは

日本建築を語る上で、やはり最も注目されやすい欄間は「彫刻欄間」でしょう。
その名の通り、欄間にあたる部分に花鳥の彫刻を施し、時には極彩色を施すなど豪奢な作りとした欄間です。
おもに桃山以降から江戸初期にかけての城郭建築で用いられたものであり、奈良県下ではこうした華美な欄間を見かけることはありません。

厚い板(15mm程度)に複雑な彫刻を施したものを彫刻欄間と呼ぶのに対して、薄めの板(12mm程度)に簡素なくりぬきを施したものを透かし欄間と区別することがあります。
彫刻欄間と透かし欄間の厳密な区別はあまりなく、どちらに分類するか迷うものもあります。

施される装飾は多様ですが、その建築の立地や部屋のテーマ、施主のパーソナリティを反映した図案が採用されることも多く、日本建築の見どころの一つとなっています。

例えば奈良女子大学佐保会館では、桜・梅鉢・半開梅・捻梅の透かし彫りを入れた四枚の板が、川の流れを形作るようにはめ込まれた透かし欄間となっています。
これは、大学の裏手に流れる佐保川や、その河川敷に植えられた桜・梅を見立てたものと考えられています。

また、現存する最古の和風教会堂である日本聖公会奈良基督教会堂の祭壇と参列者席の間は欄間が設けられています。
こちらも、桃山時代の城郭建築のような絢爛さはありませんが、華やかな曲線の彫刻が施されています。

竹の節欄間とは

竹の節欄間たけのふしらんまは、鎌倉から室町ごろに普及した欄間の一種です。
竹の節のような切れ込みをつけた親柱に、玉縁たまぶちと呼ばれる横架材を渡し、その中を山形もしくはたすきがけの桟で埋めた、非常に質素な印象の欄間です。

おもに寺院の方丈などで見られる様式ですが、近代建築では奈良女子大学佐保会館の和室や奈良ホテルの客室で用いられました。

筬欄間とは

筬欄間とは、桃山時代や江戸時代に用いられた欄間で、横の桟を数本(大抵は中央に3筋と上下に一筋ずつ)、縦の桟を細かく多く入れた、シンプルで繊細なデザインが特徴です。
特に時代が下るほど線が細く細かい上品なデザインが好まれる傾向はありますが、現代まで残る定番の欄間と言えるでしょう。

奈良の近代建築の中では、菊水楼の座敷空間などで幅広く利用されています。

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